日本では「ジミヘン」の相性でおなじみの左利きレジェンドミュージシャン「ジミ・ヘンドリックス」。1960年代のブルース・ロックシーンにさっそうと登場し、アグレッシブなプレイスタイルやインパクトのある独特なファッション、時代を先取りした作曲センスで伝説のミュージシャンです。
やはり右利き用のギターを逆さまにして左利きスタイルで演奏する姿が彼のトレードマークです。
ロックギタリストとして後世のロックミュージシャンやギタリストたちに多大な影響を与えロック界のカリスマでパイオニアの一人として、最も偉大なロックミュージシャンのランキング上位に入るほど世界でも人気の衰えないアーティストの一人です。
ジミ・ヘンドリックスとは
ジミ・ヘンドリックスの本名は「ジェームズ・マーシャル・ヘンドリックス(James Marshall Hendrix」。1942年11月27日にワシントン州のシアトル生まれ。シアトルと言えば後の1990年台にもニルヴァーナやパールジャムなどグランジロック・オルタナティブロックの伝説的バンドを数多く排出しているロックの聖地でもありますね。ニルヴァーナのカート・コバーンも左利きギタリストという共通点があります。
15歳の頃からギターを練習し始めブルースやロックなどのほかテレビのBGMなどもコピーして練習していたとのこと。アマチュアバンドで実績を上げていたが、18歳の頃自動車窃盗の罪で逮捕されてしまう。投獄を免れるために軍隊に志願し、軍隊内のクラブハウスでバンド演奏することもあったとのこと。除隊後は本格的にミュージシャンとしての活動を始め、数々の有名ミュージシャンのバックでプレイし、全米各地へのツアーにも同行していました。
1966年にアニマルズのベーシスト、チャス・チャンドラーにスカウトされ、当時ブルースが盛んだったイギリスへ渡りデビューすることになりました。ロンドンに渡りベーシストとドラマーをオーディションで選出し、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを結成。イギリス国内で徐々に人気を博しデビューシングル「Hey Joe」は全英4位のヒットとなりバンドは一躍スターになりました。
その後数々のフェス出演やアルバムリリースを重ね伝説を作っていくが、その当時は多くのミュージシャンがドラッグに手を出し依存しており、ジミヘンもドラッグに依存する傾向が会ったと言われています。
人間関係のもつれなどからジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス解散後、バンド・オブ・ジプシーズを結成するも短期間のうちにそのバンドも解散してしまいます。その後はソロミュージシャンとして活動していましたが、1970年9月18日ロンドンのホテルに滞在中に死亡。寝る前に飲んでいたアルコールと薬が原因で睡眠中に嘔吐し窒息死したと言われています。27歳という若さでした。
ギターは左利きだが書字は右利きだった?
左利きギタリストとして知られているジミ・ヘンドリックスですが、字を書くときは右利きだったという説があります。アルバム「Electric Ladyland」の「Gypsy Eyes」の歌詞を右手で書いている写真が残っているそうです。写真には残念ながらジミの顔は写っていないそうですが、筆跡などからみて本人で間違いなさそうです。
ギタリストとしてのジミ・ヘンドリックス
非常に手が大きく、コードを引く際もギターのネックを握るようにもつスタイルで、親指で5弦をおさえることもあったそうです。ストラトキャスターを逆さにもつことで、ネックとボディのジョイント部分のカッタウェイが浅くなり、ハイフレットのプレイはし辛いはずなのですが、それも手の大きさでカバーしていたのだと思います。
ソロプレイのみならずボーカルバッキングプレイでもインプロヴィゼーションによる演奏を行っており、またファズという歪み系のエフェクターを使用して音色を作っていてそれがまたダイナミックな演奏を演出していました。
ほとんど即興に近い感覚的な演奏であったため、譜面に起こすことが難解な演奏でもあります。わたくしもギターを弾くのですが、ジミ・ヘンドリックスの演奏をコピーする際は耳コピじゃないと無理ですね。楽譜はコード進行とかベース・ドラムのパートにしか役に立たないです。っていうか耳コピでもあの絶妙なプレイを真似するのは難しいです(汗)。
ギター燃やし&破壊のパフォーマンス
ジミヘンといえば、モンタレーでの"ギター燃やし"が有名で、ギターを床に置いてジッポオイルをかけ火を着けて燃やし、ギターのネックを持ってハンマーのように床に叩きつけて破壊するというパフォーマンスの映像が、しょっちゅう流されていたため、ジミヘン=ギターを燃やして壊す人というイメージで、ライブの度にギターを破壊していたように思われがちですが、実際にそのパフォーマンスをしたのはモンタレーのコンサートで行ったその一回だけらしいです。
使用していたギター
メインで使用していたのはフェンダー・ストラトキャスターと呼ばれるモデルです。
今では超有名な「エレクトリックギターといえばこれ」というようなモデルですが、ジミが使いだした当時は、フェンダー社はマイナーで倒産の危機にも会ったそうですが、ジミヘンのブレイクがきっかけでストラトキャスターが売れ会社も回復したとも言われています。
他にもギブソン・フライングVも使用していました。手書きで独特のペイントの施されていました。もちろん右利き用のフライングVを逆さに持って使用していたのですが、フライングVに関しては左右対称の形なのであまり違和感がなかったんでしょうね。
他にもアコースティックギターも右用を左用に持ち替えて演奏する映像も残っていますし、アマチュア時代はダンエレクトロのギターを使用していたそうです。これも左右対称なモデルで右利き用を逆さに持っても違和感なさそうですね。ジミヘンのイメージからは程遠いですが・・・。