左利きは左利きを呼ぶ
あなたが左利きの場合、「身の回りに左利きの人が多いなあ」と感じることはありませんか?私はあります。事実、左利きの友人知人は結構多いほうだと思います。一番近い存在の奥さんがすでに左利きですし、従兄弟・友人・バンド仲間でも左利きがたくさんいます。
あるとき、餃子の王将に四人で入りテーブル席を囲んでご飯を食べていたところ、ある一人がものすごい違和感を感じていたのですがその原因が「利き手」だったことに気づいてえらく驚愕していました。そう、その違和感を感じていた友人は右利きだったのですが、他の三人は左利きだったのです。
我々左利きは食事の時などは隣の人と肘があたらないよう、座席のポジションは常に左側をキープするくせがついていて、どこの席がじゃまにならないかとかいろいろ観察して日常生活を送っているので、周りに左利きがいるときは「この人と隣り合わせなら大丈夫」という意識も働きます。また、このときは一人だけ右利きの彼に対していたずら心がみんな働いていたのでしょう、誰も利き手のことには触れずにドッキリのように4人がけのテーブルを選びました。案の定彼は、周りが全員左利きということに気づいた瞬間から、今まで感じたことのない肩身の狭い思いをしていたそうです(笑)。
話はそれましたが、要するに何が言いたいかって言うと、「左利きの人は常に周りに左利きがいないか無意識のうちに観察している」のではないかということです。テレビに出てくる有名人なんかでも、お箸を使うシーンや鉛筆を使うシーンなどで「あっこのひと左利きだ!」と気付くことが多々あると思います。右利きの人は別に左利きの人のことなど気にしてないので「へーそうなんだー」くらいのリアクションですが、我々左利きはとても共感して嬉しくなってしまうものです。
カラーバス効果で左利きの情報が目に入るようになる
この「ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象」のことを「カラーバス効果」と心理学では呼びます。
例えば、街を歩いていて他人のファッションなどあまり気にしないですが、「新しいコートがほしい」と思ってるときは、待ちゆく人々の着ているコートが気になって仕方なくなります。
それと同じで、左利きの人は脳は「左利き」にまつわるを無意識のうちに視覚聴覚などから情報を収集してしまうというものです。左利きに関する情報を瞬時に集め、それに対して自分はどう対応するかを2手3手先を読んで行動しているのではないでしょうか。
きっぷを買うときのお金の入れ方、改札へのきっぷの通し方、その時の荷物の持ち方など、効率的にこなせるように脳内でシミュレーションしているのかもしれません。
「カラーバス効果」によって注意深くたくさんの情報を収集する左利きさんですが、やはり生きていると社会は右利き優先(専門といってもいいくらい)に道具や動線は作られているので、ストレスがかかりますし、先手先手を読んで行動しているので神経がすり減ってしまい精神疾患にかかる率も高いと言われています。「左利きさんは精神疾患になりやすい」というお話は、また別の機会にお話したいと思います。