右利きと違う所作からか、見慣れない動作だからかわからにけど普段から「天才」とか「独創的」とか思われがちな左利きですが、実際に学業の成績がよい傾向にあるのでは?と言う研究もあります。「神童」などと呼ばれる子や、そこまでいかなくても成績優秀な英才児が左利きに多いという研究です。
確かに私の周りの左利きの人達を見てみても、割と頭の回転が早い人や、判断力のある人など、「凡人とは違う」という印象の左利きの人が多いように感じます。自分が左利きで優秀でありたいと思うからそう見えるだけなのかもしれませんが、実際研究結果ではどうなっているのでしょうか。
左利きには英才児が多い?
アメリカ・アイオワ大学の研究
アメリカ・アイオワ大学の研究で、「知的に極端に早熟な者」についての研究報告がされています。「知的に極端に早熟な者」すなわち英才児についての研究ですね。
アメリカには日本で言うセンター試験のような大学入試に関連する一斉テストのようなシステムはありませんが、「SAT(大学進学適性試験)」という学力試験システムがあります。有名大学を受験するときはこのSATでの高得点が要求されます。
SATは通常は高校生が受験するのが普通ですが、アメリカなどでは秀才な子が小学生の年齢で高校や大学に行けたりするように、小学生頃に受験する天才児・英才児もいます。
1983年のSATに基づいて、10万名の中から選出された13歳未満の子で、かつその中から成績上位の英才児291名に対して利き手の調査を行ったものです。
結果、調査対象となった英才児の左利きの割合は、一般の大学生の左利きの割合と比べ高いということがわかりました。
また、大学合格率を比べても、左利きのほうが高いということも報告されています。
イランの英才児の研究
別のイラン人研究者の報告でも、左利きが優秀な成績であると報告されています。
5万名規模の大調査で、1993年~1997年の5年間の大学受験者のデータから「書字に用いる利き手」で左利きの割合や合格率の割合を統計調査しました。
イランでは大学受験のときに、教室で使う片手机(イスと机がくっついたもの)を用意するため予め受験者から利き手のデータを収集しているため、そのデータをもとに調査を行ったものです。
結果、大学合格率や得点において、左利きは割合が高いということがわかりました。
IQについての報告
IQ(知能指数)の研究でも左利きが優位な差が出ているという研究もあります。
IQが132以上の小学生の左利きの割合は、IQが132未満の小学生の左利きの割合よりも高いという報告もあります。
やっぱり左利きには英才児が多いらしい
研究結果からして、英才児の左利きの割合が高いということはわかりました。もちろん、だからといって左利きがみんな天才だぜ!ってわけではないですけどね。
ただ、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ビンチなど、歴史上の天才や偉人に左利きが多く目立つのも偶然であったりカラーバス効果によって心理的に意識してしまって目立ちやすいというだけでなく、事実英才児の割合が高いため名を残す人も多いということかもしれませんね。