「左脳は言語に関連する処理を行い、右脳は非言語に関する処理を行う」というのが定説の用になっております。
右脳は運動能力、数学、音楽、芸術に優れる可能性を指摘されていることをふまえて単純に考えると、表題のとおりスポーツ選手は運動能力に優れた右脳に関連する左利きの方が有利と考えるのが妥当と思えます。
(近年ではその差異は相対的で、あくまで脳は一つのシステムとして動くと考えるべきとされています)
スポーツと左利きの研究では左利きが優位との報告も
ギリシャのグローイス氏は、スポーツを専門としている学生と、スポーツをしていない学生を比較し調査した結果、スポーツ特待生の左利きの割合が一般の割合より高いことを明らかにしました。また、トルコの研究では、コンピュータ画面に出るマークの単純反応速度を計測した結果、左利きの方が右利きよりも反応時間が早く、ハンドボールでは左利きのが有利であると報告されました。
また、テニスやサッカーなどの相手と同時に対戦するスポーツのプレイヤーは、陸上競技などのような単独で行うタイプのスポーツ選手よりも左利きが多いという指摘もあります。
これは、右利き人口が多いために、相手がいる対戦型の競技では右利きの相手の球筋や攻め方には右利き左利き問わず熟練しているが左利きの選手の球筋や攻め方には慣れていない、つまり右利きを相手にプレーするのには慣れているが左利き相手だと不慣れなため戦略的に有利な左利きを選択するのではないかとも考えられます。
日常生活では右利きでも、スポーツでは意図的に左利きとして活躍している選手は野球やボクシング・格闘技などでも見られるので、戦略的に有利というのは信憑性がありますね。
プロテニスプレイヤーの左利き割合の調査では左利きが多め
1978年のテニス・ウインブルドン大会出場選手の左利き率を調査した結果は、
男子:15.6% 女子:9.4%
1947年から1978年の間の優勝選手の左利きの割合は
男子:15.1% 女子:6.1%
大会出場全体では12.9%となり、世界人口の左利きの割合が約10%であることから、ウインブルドン出場選手は若干左利きが多いようにも見えますが左利きが有利というほどの数値的差異には見えないですし、女子の割合だけ見ると一般の左利き割合とほぼ同じくらいと考えられます。
ウインブルドン出場選手だけの短い期間の統計なので、サンプル数が少ないため統計的に信憑性がないかもしれません。
また、プロテニスプレイヤー全体で見ても約5%~8%という調査結果なので、プロテニスプレイヤーに左利きが特別優位な条件とはいえないでしょう。
しかし、強豪選手だけで見るとどうであろうかという分析も行われました
イギリスの大衆紙「デイリー・テレグラフ」では1968年からのプロテニスプレイヤーのランキングを毎年年末に発表しており、そのデータをもとに左利きの割合を分析されました。
・年間トップ
・週間トップ
・グランドスラム(4大大会)のチャンピオン
・グランドスラムのファイナリスト
以上の4つの項目にて利き手の割合を分析調査した結果、いずれの項目でも左利きの割合がほぼ20%を超えると言う結果になりました。
これらのデータから「強豪プロテニスプレイヤーには左利きが多い」と結論できそうなほどの差異が認められます。
ちなみに、日本人でも活躍の目覚ましい錦織圭選手と大坂なおみ選手は「右利き」。
まあ、絶対数は右利きのほうが多いですからね・・・