「左利きは器用」という話をよく耳にしますが本当?
私も器用な方ではありますが、もちろん不器用な左利きもいるでしょうし、僕の友人にも左利きで箸を正しい持ち方で持てず「バッテン箸(箸がクロスするような持ち方)」になっている人もいます(ある意味器用ではありますが)。
左利きの器用さと直接の関係はないけど、「目と手の共応動作」に関連する研究で利き手が器用かどうかという研究結果があります。
結論から言うと「左利きが器用とは言えない」と言う研究結果です。
「左利きは器用」かどうかに関連する研究
イギリスのラビット氏による「ランダムに点灯するランプが、点灯すれば出来るだけ早く反応する」という反射神経ゲームのような実験で調査したところ、反応時間の平均は表のようになりました。
右手 | 左手 | |
右利き | 0.474秒 | 0.496秒 |
左利き | 0.486秒 | 0.466秒 |
若干利き手のほうが早いですが、統計学的に優位な差は認められないので「左利きは器用」とは言えない結果になりました。
他にも、図のような課題を用いての実験もありました。
矢印のスタート地点から実験者が指定するペース(1つおきとか2つおき)で丸印に点を書き込んでいき30秒間で書き込めた数を計測する実験でも、右利きでも左利きでも、利き手のほうが優位という結果でしたが左右の差はとくになかったとのこと。
他にもいろんな実験でも利き手は非聞き手に比べて器用という当然の結果はでましたが、左利きが右利きよりも器用という証拠になるようなものはないようです。
唯一、とある実験で「片手でワッシャーやナット、ネジなどを正しい順序で積み重ねる」という複雑な作業での計測では、左利きのほうが成績がよかったという実験結果がありますが、左利きの方が器用という説を断定できるほどの差異でもないとのこと。
なぜ「左利きは器用」と思われているのか
他人を見て器用だと思うのはどういうときでしょうか。おそらく常人には真似できない細かい作業とか複雑な仕事をこなす人なんかを見たら「この人器用だな」と思うこともあります。
右利きの人から見ると左手を上手に使っている様子が「器用」というふうに映るため、「左利きは器用」という感覚がうまれているのではないでしょうか。
左利きの私でさえも、普段見慣れているのは右利きの人が大多数のため、たまに左利きを見ると違和感を感じますし、その違和感が「器用だなあ」という風に感じられるということは大いに考えられると思います。
つまり、「左利きは器用」というのは「錯覚」です!(キッパリ)